ひとつ前の記事の「和風ベッコフ」。
今日はその元になったアルザス地方のベッコフを作りました。
ベッコフとは
ベッコフ(ベックオフともいう)は、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など、いくつかの種類の肉を白ワインに一晩漬け込み、じゃがいもなどの野菜と一緒に鍋に入れ、オーブンでじっくりと煮込む、アルザス地方の料理です。
ベッコフ鍋
アルザスでは、ベッコフ専用の鍋があり、蓋の周りをパン生地でふさいで、オーブンで2~3時間じっくり煮込みます。
陶器で作られた鍋が熱を蓄えて素材を蒸し焼きにし、じんわりと火を通すことで美味しく仕上がるのです。
かわいらしい花や鳥が描かれたスフレンハイム焼きは、すべてベテランの職人による成形及びハンドペインティングです。
ベッコフ以外の煮込みやテリーヌにも使えます。
素朴で実用的なフランス輸入陶器 アルザス・スフレンハイム焼き ベッコフ用鍋
ベッコフ鍋がない場合は
ベッコフを作るうえで大事なのは、密閉できる状態でオーブンに入れて焼くことです。
厚手の鍋で密閉できればよいので、私はバーミキュラを使って作りました。
ストウブでも、もちろん作れます。
バーミキュラでつくるベッコフ
以前、バーミキュラの工場を見学させていただいたときに、職人さんが密閉性をテストするところを見せていただきましたが、紙一枚の入るすき間もないバーミキュラの密閉性には驚かされるばかりでした。
ですので、ベッコフのように密閉性を要する料理にはこのお鍋はぴったりなのだと思います。
家庭で作りやすいベッコフ
今回は豚肩ロースとソーセージだけで作りました。また、れんこんを加えたのも私の勝手なアレンジです。
材料の下準備さえ済ませれば、あとはオーブンに入れて放っておくだけで作れますし、調味料も塩、胡椒のみですので、大変手軽。
素材の旨味が溶け込んだ、混ざりっけのない深みのある味わいに、身も心も温まります。
ベッコフ レシピ
材料 4~6人分
豚肩ロース肉 750g
ソーセージ 4本
塩 小さじ2
胡椒
ローリエ
タイム
にんにく 2片
白ワイン 1.5カップ
じゃがいも メークイン4個
玉ねぎ 2個
れんこん 中3節
オリーブオイル 大さじ2
水 1.5カップ
作り方
- 豚肉は1.5㎝幅に切り、それを更に半分に切る。ソーセージは斜め半分に切る。にんにくは半割にして芽を除く。
- ①をポリ袋に入れてローリエとタイムを加え、白ワインを注ぎ入れて口を閉じ、冷蔵庫で一晩漬けこむ。
- ②をざるに空けて肉と漬け汁に分ける。
- じゃがいもは皮を剥いて5ミリ厚さにスライスし、れんこんは皮を剥いて1㎝厚さにスライスして半分に切る。玉ねぎもスライスする。
- 鍋の底にオリーブオイルを広げ、じゃがいとれんこん、玉ねぎをそれぞれ半量ずつ順に重ね入れる。肉の2/3を並べ、その上にソーセージ半量を並べて上からギュッと押す。
- ハーブとにんにくものせて残りのじゃがいもと玉ねぎの半量、残りのれんこんを重ね入れ、残りの肉とソーセージをのせる。
- 残りのじゃがいもと玉ねぎをのせ、②の漬け汁を注ぎ入れ、水を加えて上から押さえる。
- 蓋をして200℃のオーブンで90分焼く。
- 焼き上がったら上から押さえて具材を煮汁の中に沈め、蓋をしてそのまま冷ます。
- 冷めたら冷蔵庫に1時間ほど入れて冷やし、好みで固まった脂を取り除く。
- 食べる前に直火で温め直し、塩、胡椒で調味する。