新刊「オイルで作る焼き菓子ベストレシピ」が扶桑社より発売になりました。
撮影 千葉充さん
デザイン 桑平里美さん
スタイリング 鈴木亜希子さん
ライティング 守屋かおるさん
編集 田村裕美さん
バターを使わないでオイルを使って作る焼き菓子の本です。
パウンドケーキやマフィン、クッキー、スコーンなどの定番の焼き菓子に加え、
台湾カステラやバスクチーズケーキなど、流行りのお菓子も取り入れました。
オイルで作るお菓子のメリット
本のご紹介の前に、オイルで作るお菓子について簡単にお話しさせていただきますね。
温度による状態の変化を考えなくていい
バターは冷たいときには固くなり、温めると柔らかくなり、火にかけると液体に変わりますので、その時々の状況で
扱い方を変えなくてはなりません。
一方、オイルは常に液体ですので、温度によって扱い方を変える必要がなく、お菓子作りがとっても楽になります。
素材の風味がストレートに感じられる
バターの味やこく、風味がお菓子のおいしさ、風味の良さにつながるのは言うまでもありませんが、オイルで作ったお菓子にはバターの味や風味がない分、
素材そのものの味や香りがしっかりと楽しめます。
軽やか
はじめてオイルで焼き菓子を作ったとき、パウンドケーキだったのですが、その軽さに驚きました。
ふんわり軽やかでいくらでも食べられる感じです。
バターケーキの重さがちょっときつくなってきた、
そんな方にはオイルのお菓子がおすすめです。
混ぜるのが楽
バターを混ぜるときにはまず、室温に戻してやわらかくしなければなりませんが、オイルは常に液体ですから、卵や砂糖と一緒に泡立て器で簡単に混ぜることができます。
洗い物が楽
バターを使った後、ボウルや泡立て器のこびりつきを落とすのは結構大変。
油分も落ちにくい。こんな経験はありませんか?
オイルでお菓子を作ってみると、汚れがさらっと落ちるので、とても楽です。
オイルで作るお菓子のデメリットとその補い方
こくが足りない
牛乳やヨーグルトなど、バター以外の乳製品で十分に補うことができます。
油の質、味や香りが心配
オイルで作るお菓子に向いた油がありますので、そちらを使うとおいしくできます。
(詳しくは下に記載しました)
どんなオイルが焼き菓子づくりに向くのか
香りや味にくせのない油でしたら何でも構いません。
私のおすすめは太白ごま油です。
製菓用のものも出ているほど、お菓子作りに向いたオイルです。
その他、サラダ油や米油、菜種油なども使えます。
それでは本題に。
オイルで作る焼き菓子ベストレシピ
台湾カステラ
今回、試作に一番時間をかけたのが台湾カステラです。
実は最初に本の提案を受けたとき、こちらは入っていませんでした。
私からメニュー案を提出した後、「台湾カステラを入れてもらえませんか?」
と編集の方からご提案があったのです。
そのときは内心、ドキッとしました。
なぜなら、これまでほとんど作ったことがなかったからです。
でも流行りのお菓子だし、作れたら嬉しいよね~
と思い直して試作をスタート。
台湾カステラのお店がまだほとんどありませんでしたし、本場のものを食べたこともありませんでしたから、台湾カステラってこんなもの、という自分なりのイメージを固めるまで、時間が掛かりました。
何度も試作を繰り返し、家族も太鼓判をおしてくれるものが完成したときは、ほっとしました。
作り方のコツを本の中に全部書きましたので、台湾カステラを初めて作るんだけど、という方に
ぜひお試しいただきたいです。
マフィン
作りたいお菓子の上位に入ってくるのがマフィン。
型を1つそろえれば、焼き時間も短時間ですみますし、失敗することがほとんどないお菓子です。
オイルで作るマフィンはバターを室温に戻す手間もなく、材料をそろえてから焼き上がるまで30分ほどで完成します。
ココアクッキーマフィン
特におすすめなのは、ココアクッキーマフィンです。
基本のマフィン生地にオレオクッキーをのせて焼くだけのかんたんマフィンです。
スフレチーズケーキ
今回はそんな混ぜるだけのお手軽マフィンに加え、メレンゲを加えて作るふんわりタイプのマフィンも紹介しています。
スフレチーズケーキもその一つです。
大きな型で焼くと、結構焼き時間がかかりますよね。
マフィン型なら20分で焼き上がりますので、手軽にお楽しみにいただけます。
パウンドケーキ
パウンド型一つで作れるケーキには、その名のとおりのパウンドケーキの他、パウンド型を使ってこんなのもできますよ、
というお菓子も紹介しています。
バナナブレッド
まずは定番のバナナブレッド。ご紹介するまでもないくらい人気がありますよね。
このバナナブレッドのおすすめポイントは、乳製品をまったく使っていないところです。
普通はヨーグルトやサワークリーム、牛乳などが入ります。
私が今までに紹介してきたバナナブレッドのレシピにも入っていました。
今回はそこにスポットを当てて、このヨーグルト本当に必要かな?
と、入れたものと入れないものを作り比べてみたのです。
するとこちらの配合の場合、ヨーグルトなしの方がバナナの味と香りがはっきりしました。
ウィークエンドシトロン
これもはずせない人気のパウンドケーキ、レモンケーキですね。
今回は焼きっぱなしの一つ上をいく、グラスアローという糖衣がけをした姿で登場です。
レモン汁と粉糖を混ぜ合わせて上にかけるだけのアイシングに対し、アイシングした後にオーブンでさっと焼いて表面をすりガラス状に仕上げたのがグラスアローです。
素朴なケーキがこれで一気におもてなしや贈り物にぴったりのケーキになります。
クッキー
オイルで作る焼き菓子の中でも、特に皆さんから「美味しい!」
と言っていただくことが多いのが、クッキーです。
食べ出すと止まらなくなる、という言葉がぴったりです。
型で抜いたり、切ったり、丸めたり…
いろんな形のクッキーを集めました。
ハワイアンショートブレッド
おすすめは全部!
と言いたいのですが、一つ上げるならクッキーのページ、トップバッターの
「ハワイアンショートブレッド」です。
あちこちで紹介していますが(笑)、ハワイのお土産にいただいたクッキーが忘れられず、再現してみよう、
と思って作ったものです。
ハワイのクッキーと言えば、パイナップルの形をしたあれでしょ?
とよく言われるのですが、そちらではなく、Big Island Candiesのクッキーをイメージして作りました。
レモンクッキー
レモンクッキーもおすすめです。
レモン風味のクッキーに、レモンのアイシングをかけた、見た目にもかわいいクッキーです。
こちらのアイシングはグラスアローとは異なり、レモン汁と粉糖を混ぜ合わせただけのものです。
スコーン
今回は基本のプレーンなスコーンの食感にこだわりました。
自家製スコーンミックス粉
粉類の配合はすべて同じ4種類のスコーン生地。
液体の配合のちょっとした違いでザクザク、サクサク、しっとり、ほろほろの4つの食感が楽しめます。
粉類だけを多めに作れば自家製スコーンミックス粉の完成です。
スコーンはこれまであまり紹介できていませんでしたので、特に力を入れております(笑)
本の内容をザーッとご紹介させていただきました。
本のイメージ
イギリスの片田舎をイメージしたデザインの本になっております。
ピンクや白、イエロー、ブルー、ミントグリーンなど、パステルカラーがベースになった柔らかい雰囲気の本です。
本のイメージについては、写真入りでこちらにも書かせていただきました。
ラッピングの参考に
焼き菓子を作ると、誰かに届けたくなります。
そこで気になるのがラッピング。
私自身、お菓子を焼くまでは楽しいのですが、いざ人に差し上げられるようなラッピング、
となると、どうしていいのかわからなくなってしまいます。
こちらの本では、簡単で演出効果の高いラッピング例が随所に載っています。
特にラッピングのページを設けているわけではないのですが、スタイリングされたお菓子の画像から
伝わるんじゃないかな、と思います。
お手に取ってご覧いただけましたら嬉しいです。
オイルで作る焼き菓子ベストレシピ