お菓子を作る時、いつも何かしら考えながら作っています。
スコーンを作ろうと、卵を1個入れながら、そういえば、卵1個丸ごと使うスコーンのレシピってあまりみたことないな、と思い出しました。
これは昔から不思議に思っていたことで、粉100〜150gだったら卵黄1個分とか、卵1/2個分とかその程度です。
思うに、スコーンはもともと粉の風味を楽しむお菓子なので、卵を入れすぎると卵の風味に負けてしまうから?
じゃあ、卵は何のために入れるの?
と、いろいろなことに思いをめぐらせます。
私だけでなく、本のレシピをみるたび、この卵1個使いきれない分量、どうにかならないのかな、と感じていた方も多いのではないでしょうか?
そこで実際に試してみたのが今回のスコーンでした。
焼き上がったスコーンは、確かに色は黄色っぽいし、卵の風味が濃いスコーンになりました。
食感はサクサクで、牛乳やヨーグルトだけのスコーンのようなもわ〜っとしたところが感じられません。
さらに、この独特のほろほろ感は卵ならではの食感!
と気付かされます。
結果。
- うん、これもおいしい!
- 牛乳、ヨーグルト、生クリームで作るスコーンよりも質感は固め
- ケーキのような風味
- 歯切れのよいスコーン
- 明らかに卵を使っていることがわかる、特徴的なスコーン
となりました。
こういう実験的なお菓子の作り方は、時間と気持ちに余裕がないとできないんですよね。
1回1回の試作が真剣勝負になる依頼仕事では、たとえ試作であっても確実な路線を通りたくなるもの。
でも、こうした違いを感じとることが、レシピを作る上で案外、大事な気もします。
「まずはレシピ通りに。」やってみて、同じレシピを2〜3回繰り返した後、ちょっと横道にそれてみると、新しい発見があるのかも。
そして、想像を超えた味に出会えるチャンスかもしれません。