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「オイルで作るお菓子」を作り始めたきっかけと作り続けてきた理由

オイルで作るお菓子の本

本を出版するきっかけになったのが、バターを使わずに「オイルで作るお菓子」でした。

バターを使わなくてもおいしいお菓子

風味豊かで味わい深いバターを使ったお菓子。

特に焼き菓子はバターをたっぷり使うほど美味しくなりますよね。

バターを使ったお菓子はもちろんおいしいですが、バターを使わずにオイルで作るお菓子にはそれとはまた違ったおいしさや作る楽しさがあります。

私がオイルでお菓子を作り始めたころ、「それっておいしいの?」と疑問をもたれることもありました。

ところが、一度食べていただくと、「これ、本当にバター使ってないの?」と驚かれることがとても多かったのです。

バターの代わりにオイルでお菓子を作るようになったきっかけ

今から10数年前の夏のことでした。

この年の夏は大変暑く、猛暑日が何日も続きました。

毎日のようにお菓子を焼き続けるうちに、作るのはもちろん、食べるのすら苦痛になってきたのです。

特にバターを使ったお菓子は重すぎて、食べたいとも思えません。

そんなとき、海外のお菓子の本を眺めていたら、偶然、「oil」という単語が目に飛び込んできたのです。

「オイルでお菓子が作れるの?」

すごく衝撃を受けました。

他の本も見てみると、オイルで作るお菓子のレシピはいくらでも出てきます。

海外では当たり前のように作られていることを知って、これは作ってみる価値大いにあり!

と早速試作に取り掛かりました。

そして、毎日毎日焼き続けているうちに、

  • 今まで感じたことのなかった軽やかな食感
  • 素材の風味を生かした自然なおいしさ
  • 手軽な作り方

といった、オイルで作るお菓子の魅力にどんどん引き込まれていきました。

バターを使わないお菓子の魅力

軽やかで重たくない

バターの代わりにオイルで作るお菓子は口当たりが軽やかで、もたれることもなく、食べ飽きません。

素材の風味を引き立てることができる

バターを使ったお菓子には、バターの風味が加わります。それはメリットである反面、素材本来の風味や味わいを弱めてしまうこともあります。

一方、無味無臭の植物油を使ったお菓子は、バターのように風味に影響を与えることなく、素材の風味をストレートに楽しむことができます。

バターを使わないお菓子作りはかんたん

バターを使わないとお菓子作りのハードルはかなり下がります。

なぜなら、バターは温度によって柔らかくなったり、溶けたり、固まったりと姿形を変える素材だからです。

お菓子によってそれぞれ適切な状態にしないと、失敗の原因になってしまうのです。

一方、オイルはバターのように温度によって溶けたり固まったりしないので、室温にもどしたり、冷蔵庫で冷やしたりする必要がありません。

思い立った時にすぐに作り始めることができるのです。

お菓子作り初心者の方にもおすすめです

計量がかんたん

他のお菓子同様、オイルで作るお菓子にも計量は必要ですが、一つのボウルに材料を次々に加えていくレシピが多いので、実際に作ってみると計量の負担はぐんと減ります。

身近な材料でつくれる

バターでお菓子を作るには、無塩のバターが必要になりますよね。ここで一つハードルができます。

一方、オイルで作るお菓子は、サラダ油や米油、太白胡麻油など、味や香りにくせのないものなら何でもOK。

あとは小麦粉、砂糖、牛乳、ヨーグルト、卵など、いずれも家にある食材で作れます。

特別な道具は不要です

泡立て器やボウル、ゴムべらなど、基本的な道具で作れます。

カードやハンドミキサーなど、お菓子作りならではの道具を使うレシピもありますが、ゴムべらや泡立て器で代用できますし、なくても作れるものがほとんどです。

お菓子作りにあると便利な道具をこちらにまとめました。

手順がシンプルで少ない工程で作れる

オイルのお菓子で一番嬉しいのが、工程が少なく、手軽に作れることです。

ワンボウルで混ぜるだけ、混ぜ方もぐるぐる混ぜればいい、など、難しい作業はありません。

そして、あっというまに生地が出来上がるので、オーブンに入れるまでの時間が短くてすみます。

忙しい方にも試していただきたいです。

Profile

吉川文子(よしかわふみこ)