今月のお菓子教室ではガトーマルジョレーヌを紹介しています。
ガトーマルジョレーヌとは?
ガトーマルジョレーヌは、フランスの伝統的なレストランデザートで、1950年代に、ヴィエンヌのレストラン「ラ・ピラミッド」のシェフ、フェルナン・ポワンが考案したケーキです。
このデザートは、複数の層から成る複雑な構造が特徴で、ダックワーズに似たフォンデュ・マルジョレーヌと呼ばれる生地に、ガナッシュ、プラリネクリーム、そして軽やかなシャンティイークリームを層にしたケーキです。
マルジョレーヌは、当時の他のデザートと一線を画し、バタークリームではなく泡立てた生クリームを使うことで、非常に軽やかに仕上げられた点が注目を集めたそうです。
表面には粉砂糖が使われ、レストランの庭から見えるピラミッドの形をイメージしたデコレーションが施されています。
ゼラチンなしで保形する方法
ホイップクリームをこのようなスタイルで組み立てる場合、ゼラチンのような凝固剤を使用することが多いのです。
実際、私が20年近く前に習ったレシピでもゼラチンが使われていましたが、本来のマルジョレーヌはクリームの脂肪分を上げることで保形性を保っています。
この方法が私にとってはかなり驚きだったのですが、試してみると、意外なほどすんなりできてしまいました。
食後のためのガトー
食べ終えてみると、3センチくらいの幅に切った小さな一切れにも関わらず、とても満足感のあるものでした。
しかも、脂肪分を上げたから重くなるんじゃないかと思いきや、実際はその逆で、むしろ軽く、口溶けのよいケーキに仕上がったのです。
ガトーと呼ばれるだけあって、見た目はお茶の時間に楽しまれるケーキのようですが、これはまさしくレストランのデザートとしてふさわしく、フェルナン・ポワンさんの計算しつくされたアイディアにまた感動してしまいました。
私のマルジョレーヌレシピ
今回ご紹介するレシピは、本来使用されるフォンデュ・マルジョレーヌのレシピに比べると、かなりダックワーズ寄りの生地を使っていますし、仕上げもピラミッドを模ってはいませんので、再現などとはとても言えるものではありませんが、私なりに試行錯誤しながら作ってみたガトーマルジョレーヌです。
古典を紐解くことでまた新たな発見があり、それを皆さんと共有できたことを嬉しく思います。
ガトーマルジョレーヌのレッスン、よろしければご覧くださいね。